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2008年8月18日 (月)

グルジア停戦合意とリットン調査団

16日にロシア大統領府が、停戦と軍の撤退を柱とする和平「六原則」にメドベージェフ大統領が署名したと発表し、 停戦合意は正式に発効した。ロシアの今度の紛争に対する事の是非は別として、 まごう事なき大国の論理に基づく武力行使の政治的結末の付け方に、興味が惹かれていた。

「さてプーチンの手腕やいかに」というところではあるが、武力行使の結果、 様々なオプションが有る中でひとまず停戦に合意するという最も妥当な処理をした。そのうえで展開した部隊を「いつまで、どの規模で、 どこまで」撤退させるかと言うことを明確にしないと言う(南オセチアからのロシア軍撤退の話では有りません、 ここからロシア軍を撤退するとは毛一筋ほども言ってません)、これもまた有る意味で見事に(当然な)政治的な帰納であります。

それにつけても思い浮かべるのは、満州事変や満州国設立を巡って国際連盟により派遣されたリットン調査団のことでした。 調査団から提出された報告書は、満州事変における日本の立場に一定の理解を示し、 満州における日本の権益を認めるもので有ったのにもかかわらず、「満州国が国際的な承認を得る」 という1点だけは譲れない日本はこれに反発し、1933年に国際連盟の決議に一人反対して国際連盟を脱退、 以後大東亜戦争へと至る破滅への道を直走ることになる。

「戦争という重大事を、軍人なぞに任せてはおけない」と発言した外国の政治家がおりましたが、けだし名言でありましょう。 しかしひたすらナイーブで、直裁的だった当時の日本の軍人や政治家の愚かしさに非常な悲しみを覚えます。 この結果が軍民ともに数百万人に及ぶ犠牲者を自ら出し、かつまた他国の犠牲者もおびただしいことになった。

いずれにせよこのナイーブで、直裁的な性質は伝統的に日本人的なもので今も変わらない。 ましてや政治ごっこをしている今の日本の政治家連中の、 ことに臨む政治的判断とは児戯に等しく到底欧米の策謀に長けた連中のそれに適うはずもない。ロシア礼賛、 プーチン礼賛のつもりでは断じて無いのだが、見回してもプーチンを超える政治家は世界中に見あたらない。

 

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「グルジアにひそむアイヌや琉球の神話」について  ブッシュがバグダッドを攻撃しはじめたときの報道の質量やそれを批判するメディアの政治的ポジションの偏向は、まだ記憶にあたらしい。毎日のように米兵の戦死者の数を報道していたのが、治安回復作戦の成功に反比例して報道量が激減して、いまでは、サマワがどうなっているかなんて、新聞やテレビでは教えてくれない。しかし、開戦当初のド派手な反戦・反米記事の記憶は、まだ忘れるものではないと思う。  イラク開戦時の反米記事の氾濫を念頭におきながら、今回のグルジア...... [続きを読む]

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